<ご挨拶・自己紹介>
はじめまして。株式会社IFOO(イフー)代表取締役社長 八幡秀樹と申します。
私達は、鹿児島を拠点としたデザイン会社です。
国宝 霧島神宮の最寄り駅でありながら、不便と言われる霧島神宮駅と周辺のまちづくりを民間主導で行っています。
本題に入る前に、すこし自己紹介をさせてください。
私達は【温故生新】~時間の中に埋もれた価値に光を当てる~ を経営理念としています。
「地方創生(豊かな場づくり)」を、鹿児島の食・建築文化により価値を再変換し、発信することを目指すデザイン会社です。
鹿児島市内では、鹿児島の手仕事、建築文化を五感で感じながら滞在できる高級民泊施設「萌蘖(ほうげつ)」を運営しています。
<手仕事に尽力してきた30年>
約30年前、鹿児島へUターンをした私は、大工職人達を抱えながら新築木造注文住宅を建設する株式会社ベガハウスを立ち上げました。
当時、完成した家を販売するのが主流だった工務店業界で、施主様である住む方の「暮らし」に寄り添った設計や造作家具をオーダーメイドで創ることを始めました。
同時に、大工職人の育成にも力を入れてきました。
並行して立ち上げた株式会社トクエイは、大工を育て、職人の手仕事による家づくりを提案する会社です。
ベガハウスとトクエイ。
この2社で、工務店業界の発展と、職人を未来につなぐことに命を燃やしてきました。
<危機感>
同時に、当時から抱えていた危機感があります。
このままだと日本が誇る職人の「手仕事」は衰退どころか、失われていくー。
大量生産ができるモノとは違い、手仕事には2つの時間軸が存在するためその価値に比例して、価格も上がります。
①職人が技術を習得するまでの修行期間
②職人が製品として仕上げるための制作期間
その上、原料や木材の高騰も続いており、一般消費者の方と手仕事の距離がどんどん離れています。
身近に手仕事に触れる環境が減っているのも、その要因の一つです。
さらに、人口減少と同時に空き家が増えているのは皆さまもご承知のことだと思います。
私達が年間で建てることができるのは、多くても30棟ほどです。
この規模感では、従業員を守ることはできても、業界の発展には至りません。
工務店は、これまで「家」を作ってきたのではなく、「まち」をつくってきたと私は考えています。
建物だけでなく、そこに人の流れを創る、場づくりを工務店が実践する。
そう覚悟を決めたのが約6年前でした。
<新しさを再構築する会社、IFOOの設立>
2019年夏、株式会社IFOOを設立しました。
まず立ち上げたのが、冒頭でご案内した鹿児島文化の結節点「萌蘖」です。
鹿児島県内外/インバウンドのお客様に滞在してもらうために、宿泊施設として鹿児島の食文化/手仕事を提供しています。
新型コロナウイルスでの打撃はもちろんありましたが、お陰様で国内外のお客様に連日お越しいただけるようになってまいりました。
「萌蘖」含め、IFOOでは、4つの「RE:」を事業軸としています。
RE:ARCHITECTURE(建築事業)RE:PRODUCT(ものづくり事業)RE:EDUCATION(教育事業) RE:TOURISM(観光事業)
これまで国内外の教育機関との協働開発、観光列車のデザイン、現代様式に合う仏壇開発、商業施設の開発など様々な事業展開を行ってまいりました。
こういった取り組みを進めていくなかで、私の中である想いが大きくなりました。
8歳まで生まれ育った、霧島神宮駅前(えきぜん)地域への恩返しです。
何かできることはないかと模索している中で、知人を通してある企画を知りました。
JR九州が駅の活用を通して賑いを生む民間パートナー募集企画「九州 DREAM STATION」です。
この企画を知ってすぐに、私は故郷である霧島神宮駅に足を運びました。
そこで、駅前にある食堂 みかどに顔を出しました。
昔住んでいたこと、遊んでいたことを店主の女性に話していると、こう言われました。
女性「誰の子ね?」
私「八幡ツネジよ」
女性「ええ、秀樹ちゃんね!」
この女性は、私が小さい頃、よくいたずらして困らせた昭美(あきみ)さんだったのです・・!
昔話に花を咲かせていると、ふとした瞬間に、昭美さんが私の目を見て、やさしく言いました。
この一言で、私の覚悟が決まりました。
七夕の季節、幼いわたしの目には、たくさんの人で賑わう七夕祭りがキラキラと輝いて見えました。
商店街は活気に溢れ、人々が行き交う。
そんな光景が脳裏に焼き付いているのです。
ーーもう一度、この風景を取り戻すーー。
当初は、駅舎だけの改修予定でしたが、それだけでは、この地域に訪れる方々の受け皿としては機能しない。
駅前(えきぜん)にある商店街の店舗は、高齢化が進み、後継者不足や空き家問題も例外ではありません。
駅舎だけでなく、エリアとして、訪れる方々が滞在したくなる、まちづくりをしようと決めました。
霧島神宮駅の乗降数は一日約200人と言われています。
加えて、国宝 霧島神宮の最寄り駅でありながら、霧島神宮まで徒歩1時間半。
二次交通であるバスは平日で5本ほど、土日祝は更に減便。
その不便さを逆手に取り、コンセプトを決めました。
そして、ベガハウス・トクエイ・萌蘖でも取り組んできた「食/職」の付加価値を高めることをプロジェクトのビジョンとして定めました。
こうしてJR九州「九州DREAM STAION」の“賑わいパートナー”認定後、自己資金に加えて、鹿児島相互信用金庫様や鹿児島の企業様方からのご支援をいただき、産学官連携による霧島神宮駅 リニューアルプロジェクト 光来 ‐corai‐ がスタートしました。
株式会社IFOOは、オフィス機能を霧島神宮駅から徒歩5分の場所へ完全移行し、従業員の多くが霧島に移住してきました。
こうして2024年3月22日 霧島神宮駅はリニューアルオープンを迎えました。
現在は、周辺の有休不動産やみかどの事業承継を行い、霧島神宮駅周辺で5店舗を直営しています。
*= 直営店舗
▼ガレットショップ 【Quili キリ】*
霧島産有機そば粉を使用して、クレープのように霧島の食の恵みを包んでお渡し。植物性素材を使用し、有機ココアと有機ココナッツオイルを使用した手作りチョコレートや米粉のオートミールクッキーなど素材に徹底的にこだわりました。ガレットに使用する食材のほとんどは、駅構内のアトリエで手作りしています。
▼カルチャーストア 【慈慈 JiJi】*
九州をはじめ、日本国内の手仕事で作られた希少かつ高品質な作品を販売するお店。手土産としても喜ばれる、無添加/無化学調味料の鹿児島の食も取り揃えています。
▼オールデイズラウンジ【光芒 cobo】*
約100年前に建てられた石蔵をリニューアルし、列車を間近に望むラウンジとしてハンドドリップ珈琲や小菓子などを提供。時の流れを忘れる非日常空間です。
▼アートギャラリー【天地人 TEN CHIJIN】
歴史ある石蔵の空間で、一人ひとりが自らの内に秘めた美しさと創造性を発見し、表現する場です。
▼おむすび【御結屋 EKIZEN みかど】*
84年続く駅前(えきぜん)の食堂みかどを事業承継しておむすび専門店に。稲作はじまりの地と言われる霧島の米を、雲のようにふんわりと包んで、お召し上がりください。
▼プライベートサウナ【閃閃 sensen】*
フィンランドから講師を招き鹿児島大学との協働で誕生した本格フィンランド式サウナ。鹿児島県産の杉をふんだんに使用して、薪でじんわりと温めるサウナは、高千穂峰を眺めながらの水風呂や枕木を叩く列車音もBGMとしてお愉しみいただけます。
リニューアルオープンを迎え、1年が経過しようとしています。
日々、お客様と真摯に向き合い、トライ・アンド・エラーを繰り返してきました。
まだまだご満足いただける状況とは言い難いですが、
お陰様で、たくさんのお客様に霧島神宮駅周辺を目的としてお越しいただけるようになってきました。
しかし、同時に課題も明確になってまいりました。
ガレットショップ Quiliが位置する駅構内には扉がついておりません。
元々待合室として使用されており、扉のない設計でした。
現在、平日の通勤通学利用に加えて、霧島神宮駅周辺にお越しいただくお客様の簡易休憩所や食事処としてもご利用いただいています。
しかし、夏場は暑さによりゆっくり滞在していただくのが厳しく、反対に冬場は冷え込みが激しいため、文字通り体の芯から冷えてしまう状況です。
学生さんなど、地域で駅を利用される方々にとっても、居心地の良い空間を提供できているとは言えないのが現状です。
石油ストーブ、オイルストーブ等も検討しましたが、駅構内である上に、老若男女問わずたくさんのお客様にお越しいただくため、安全面を考慮し止むなく我慢いただいています。
多くのお客様から改善要望をいただいており、私達としても早急に取り掛かりたいと思っております。
そのため今回のクラウドファンディングでは、霧島神宮駅での「まつる」時を、より豊かに過ごしていただくため、まず第一に、この扉の設置にかかる費用へ活用させていただきたいと考えております。
▼設置費用:120万円(税込)
▼設置イメージ図
① 扉の設置/工事費用
② 駐車場の整備費用
③ 空き家等の不動産改修費用
④ その他、店舗運営に係る費用
2025年6月頃 扉の工事着工
2025年8月頃 扉設置&利用開始
※天候等によりスケジュールの大幅変更が発生する場合があります。予めご了承ください。
私達が大切にしている手仕事を軸に、幅広い層の皆さまにお楽しみいただけるよう、いくつかご用意をさせていただきました。
皆さまの暮らしにとって少しでも豊かな時間を提供できましたら大変うれしく思います。
・ベガハウス・トクエイ・IFOOの3社で培ってきた職人の手仕事
・生産者の方の想いの詰まった原材料こだわりの鹿児島の食品
・光来の各店舗でご利用いただける食事券
・企業様や行政機関の方に、現地を五感で知っていただく視察権
私は、この霧島神宮駅前のまちづくりに、経営者としての残りの人生を全て費やすと決めています。
この霧島神宮駅周辺で、大小さまざまな日々の商いが生まれ、継続することが私の描く「まちづくり」です。
かつての商店街の賑わいをもう一度、取り戻すためにこれからも尽力していきます。
どうか皆さまの応援・ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。
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・光来